天王寺高校に【理数科】が誕生したのは、平成5年です。当初は1クラス40名だった理数科も、平成9年からは2クラスに。現在、各学年80名の生徒が将来の技術者を目指し、勉強に励んでいる。
天王寺高校理数科の特長の一つは、数学・理科の少人数展開授業にある。基本的には20名体制で指導が行なわれるので、個々の理解度を確認しながらハイレベルな授業が進められている。
また天王寺高校理数科のみの教科・科目、行事が多彩なことも魅力の一つである。まずは、1年生の8月には「大学見学会」が行なわれる。平成17年度は、大阪大学において、医学部教授による講演会と同学部の研究室と施設の見学や工学部の研究室見学を実施。さらには、クラス単位の合宿もあり、この合宿を経験することで、生徒たちは天王寺高校理数科に在籍するための心構えを身につけるという。
そして、2年生では「集中セミナー」を受講。まず生徒たちは、7月下旬に京都大学と大阪大学の教授陣5名から5日間、90分2コマの講義を受け、それぞれのレポートを作成する。さらに2泊3日のクラス合宿に参加し、京都大学の施設見学会と講演会、民間企業見学を終えれば、1単位が認定される。かなりハードではあるが、天王寺高校理数科の名物行事として、欠かせないものとなっている。
3年生には、より総合的思考を高めようと「理数セミナー」が用意されている。前期は、5〜10名程度の小グループに分かれ、各グループが物理・化学・生物・地学からテーマを選んで研究を行い、研究の成果を9月に発表。そして後期は、数学の到達度と必要度によりいくつかのグループに分かれ、志望大学の入試問題を素材に、数学のゼミナール形式の授業を受ける。もちろん、こちらも生徒自身による研究が行なわれ、最終的には研究発表、討論会と進められる。その他にも、学年ごとや希望者を対象とした講演会、見学会も随時開催している。その一例が関西サイエンスフォーラムなどの協力による「出前講演会」で、毎回、大学や企業から最先端の研究者を天王寺高校に招き、講演会を実施している。なお、3年生の「理数セミナー」と1年生のクラス合宿以外は、普通科の生徒も参加が可能となっている。
また普通科の生徒が理数科に混ざり、よりハイレベルな科学に触れようとする一方で、天王寺高校理数科に入学後、文系への進路変更を希望する生徒もいる。そのような生徒に対しては、「理数セミナー」の代わりに国語の講座を設け、古文・漢文の授業を行うなど、臨機応変に対応している。その結果、毎年約1割の生徒が、法学部や経済学部、文学部などに進学している。
しかし、あくまで天王寺高校理数科は理系の専門学科であるので、入学後に進路変更するにはそれなりの覚悟が必要だという。 |